自宅でリハビリ中

日々思うことや物語なぞ 書いてみます。

雷鳴

窓に激しい雨が伝う。
斜めに降り注ぎ、風とともに叩きつける。
雷鳴が鳴り響く。今夜はその音しか聞こえない。
暗い部屋に青い光が差し込んで、横になったわたしの目のさきには、自分の裸の足が白く浮かびあがる。
身体は、暖かく高揚している。
白いシーツが冷たく心地よい。
ひろげた手のひらを額につけ、感触を確かめながら、髪をかきあげる。
今日は何をして過ごしていたんだっけ。よく思い出せない。
いつもどおり朝出勤して夕方に退社したような気がする。
時間がもったいなくて、夕食をきちんと取らなかった。
公園の歩道を歩く。手には、サンドイッチとコーヒー。トレンチコートに風がまとう。
食べるスピードも歩調も同じ。
会社であったこと、両親のこと、ともだちのこと、わたしたちのこと、そこまでは覚えている。
時々、自分が動物のように思えるときがある。笑いあったり、噛みついたり、仰ぎあったり、奪ったり奪われたり。
ぼんやり窓のそとを見る。
雷が光る。7つ数える。
優しい寝息をする、
愛しい男のとなりで。



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官能的に書きたくて映画を参考にしました
今日も笑って笑って
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